アディダスのサッカーボールの歴史(1963年~1974年)

ここではアディダスのサッカーボールの歴史について簡単に触れてみたいと思います。

ただワールドカップの歴代公式球に関してはネットで簡単に調べることが可能なので、主に1963年~1974年の部分についてのみ触れてみたいと思います。


1963年にアディダスがボール事業へ参入
アディダス・フランス

まずアディダスがボール事業に参入したのが1963年です。

もう少し詳しく言うとアディダス独ではなく、アディダス仏がボール事業に参入します。アディダス仏というのは、アドルフ・ダスラーの息子であるホルスト・ダスラーによって設立されたフランスの現地法人です。

アディダス テルスター

アディダス仏がボール事業に参入するきっかけとなったのは、ジュスト・フォンテーヌがホルスト・ダスラーに「アディダスもボールを作るべき」と助言したのがきっかけと言われています。

この助言によりボール事業に参入し、サッカーボールをはじめ、バスケットボール、バレーボール、ラグビーボール、ハンドボールの生産をフランス国内で開始します。

ジュスト・フォンテーヌ

ジュスト・フォンテーヌはフランス代表の元サッカー選手で、1958年のFIFAワールドカップ・スウェーデン大会で得点王に輝いたフランスを代表するストライカーです。

アディダス仏とジュスト・フォンテーヌは当時エンドースメント契約をしており、ジュスト・フォンテーヌの名を冠したサッカーシューズ、サッカーボールを発売しています。

アディダス仏が1963年にテルスター ELASTを発売

アディダス テルスター ELAST

アディダスは1963年に切頂二十面体の白黒サッカーボール"テルスター ELAST"を発売します。

おそらくサッカーボールの歴史の中で、切頂二十面体で且つ白黒のカラーにしたのはアディダスが世界初だと思われます。そして、このサッカーボールデザインは後に世界的に主流となっていきます。

1964年1月の時点で、フランス国内での販売価格は78フランです。

アディダス仏が1960年代中期に発売したサッカーボール(一部)

アディダス チリ

切頂二十面体の茶黒のサッカーボール"チリ"です。

アディダス サンティアゴ

18枚のパネルから構成される茶色のサッカーボール"サンティアゴ"です。

アディダス ミニム

18枚のパネルから構成される白黒のサッカーボール"ミニム"です。

テルスターのように白黒カラーですが、主流にはなりませんでした。

やはり切頂二十面体の方が真球に近かったのと、モノクロで見た場合、テルスターの方が白黒のバランスが良かったからでしょうか。

アディダス パルマ

18枚のパネルから構成される茶色のサッカーボール"パルマ"です。

1970年 FIFAワールドカップ・メキシコ大会の公式試合球に採用

FIFA 通知書

FIFAは1969年6月26日に、アディダス仏のサッカーボールをワールドカップに使用することを決定します。

これによりアディダス仏は"テルスター DULAST"を提供し、これがアディダスにとって初となるワールドカップの公式球となりました。それから40年以上経った現在でも、ワールドカップではアディダス製のサッカーボールが使用されています。

アディダス テルスター DURLAST

アディダス仏が1970年のFIFAワールドカップ・メキシコ大会前まで発売していた"テルスター DULAST"です。

テルスターは、アディダスにとってワールドカップでの公式球としては初ですが、既に1968年のメキシコオリンピックでも公式に採用されていますし、フランスのリーグ・アン(当時はディヴィジオン・アン)でも使用されていました。

アディダス テルスター DURLAST

1970年のFIFAワールドカップ・メキシコ大会で使用された"テルスター DULAST"です。

ワールドカップ仕様となり"OFFICIAL WORLDCUP MEXICO 1970"の文字が追加されます。

1974年 FIFAワールドカップ・西ドイツ大会の公式試合球に採用

アディダス テルスター DURLAST

1974年のFIFAワールドカップ・西ドイツ大会でも"テルスター DURLAST"が使用されます。

文字の色が変わった程度で特にスペックは変わりません。

ELASTとDULASTについて

"ELAST"と"DULAST"はウォータープルーフ(防水加工)の名称です。

当時のサッカーボールは天然皮革を使用していた為、雨に濡れると水分を含み重たくなってしまいます。そこでボール表面に防水加工を施すことで、この問題を解決しています。

初期のテルスターはELASTコーティング(ラバーコーティング)でしたが、1967年頃?に登場したDULASTコーティング(ポリウレタンコーティング)へと変更されます。


ワールドカップで使用された歴代のサッカーボール

一応、アディダスが提供した歴代のワールドカップ公式球は以下の通りです。

開催年 開催地 公式球
1970年 メキシコ TELSTAR
(テルスター デュラスト)
1974年 西ドイツ TELSTAR
(テルスター デュラスト)
1978年 アルゼンチン TANGO
(タンゴ デュラスト)
1982年 スペイン TANGO ESPANA
(タンゴ エスパーニャ)
1986年 メキシコ AZTECA MEXICO
(アステカ メキシコ)
1990年 イタリア ETRUSCO UNICO
(エトルスコ ユニコ)
1994年 アメリカ QUESTRA
(クエストラ)
1998年 フランス TRICOLORE
(トリコロール)
2002年 日本/韓国 FEVERNOVA
(フィーバーノヴァ)
2006年 ドイツ +TEAMGEIST
(+チームガイスト)
2010年 南アフリカ JABULANI
(ジャブラニ)
2014年 ブラジル BRAZUCA
(ブラズーカ)

ちなみに1966年のワールドカップでは、スラセンジャー社製のサッカーボールが使用されています。

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